環島とは、徒歩を含む様々な交通手段で台湾を一周することを意味しています。
2024年2月に7日間掛けて自転車(BROMPTON P LINE)で環島を達成したので簡単にまとめてみました。
これから環島を目指す人たちの後押しになれば幸いです。
環島 Day7
6日目にして宜蘭(の手前の羅東)に到達。
7日間での環島達成が見えてきた最終日。
楽しいんだけど身体はボロボロなので、何としても今日で終わらせたいところです・・・
羅東を出発
軽めの朝食を済ませてホテルを経ちました。
普通の町中でもいきなり廟が現れるのが台湾らしさ。
規模は小さいものからとんでもなく大きいものまで様々ですが、台湾人の信仰心の強さを感じることができます。
宜蘭の町を抜けると気持ちの良い海岸線を北上していきます。
右手には「龜山島」という離島が遠くに見えます。
島全体が亀のように見えることから名付けられたんですが、宜蘭から見ると頭は向こう側にあるため全く亀には見えません。
海岸線を北上していき、島が南方に見える位置まで移動するとまさしく亀。(私的には亀というよりガメラ)
台湾最東部
宜蘭を基隆方向に走っていると台湾最東部の「三貂角燈塔」という灯台があります。
半島の先にあるんですが体力的に少しでも楽なルートを走りたかったので、その半島をショートカットする「旧草嶺隧道」というトンネル(上画像の黄線)を通ることにしました。
ここは廃線をサイクリングロードとして再活用しています。
楽をする予定だったのに、トンネル入口に全く気づかぬまま半島(上画像の赤線)を走ってしまいました。
ただ、この半島は走って大正解!
廃線のトンネルを走るのも楽しそうですが、この半島を走るルートから見える景色は圧巻でした。
花蓮〜宜蘭の険しい絶壁から見る海も綺麗でしたが、それとは全く違った見え方で心を奪われてしまいました。
(半島はアップダウンが少なく標高の低い場所を走ります)
十分老街
半島の終わりにある福隆駅を少し進むと、台北に抜ける山岳地帯に入るルート。
ここからは周りは山に囲まれて最後の難関と言っても良いところ。
天気は今日も快晴、汗を大量にかいて体力とともに水分と塩分も抜けていきます。
途中にあった小さな商店でポカリとパイナップルケーキを購入。
軒先の椅子で休ませてもらい体力を回復させます。
休憩しておいて正解、そのすぐ先にはヒルクライムが待っていました。
251mアップと後で数値だけ見るとたいしたことのない山だったと思うんですが、7日目ですでに80kmを走ってきた身体にはもはや壁にしか見えません。
山の上からは十分老街が見えました。
たくさんの観光客がランタンを空に上げているのを遠くから眺めながらさらに上がっていきます。
十分を抜けると山岳はほぼ終わり。あとは下って台北-基隆をつなぐ基隆河にぶつかります。
環島一号線起点
基隆河までやって来れば後はゴールに向かって走るのみ。
とは言ってもゴールまではまだ50km以上あります。
でもなぜかほぼゴールと思えるほど、強い安心感が生まれたのは事実。
以前にもこのルートは走っており、万が一のことがあっても家まで帰り着くことができる、例えリタイヤしても後日再スタートできるという安心感があったんだと思います。
見慣れた景色に若干の心の余裕も生まれ、楽な気持ちで目指すは松山駅。
ここには「環島一号線起点」というモニュメントがあります。
途中、YouBikeのお兄さんと抜きつ抜かれつの激しいデットヒートをしているうちに到着。※4速が使えずYouBikeと良い勝負w
諸事情により出発が鶯歌という田舎町からだったので、環島しているのにこのモニュメントに初めて見るという変わったシチュエーション。
天性の人見知りが発揮してしまい、モニュメントと一緒に写真を撮ってもらいたいのに声をかけられずw
でも、勇気を振り絞って一人の男性に声をかけ写真を撮ってもらいました。
これが撮りたかったんですよね!
(短足に見えるのはパンツがずり下がってるからですよ!w)
環島一号線起点がゴールと言っても良いんですが、やっぱりちゃんと台湾一周を走り切らないと終われません。
ということで、環島スタート地点の鶯歌駅まで戻ってきて環島達成!!
Day7 まとめ
環島7日目の結果。
- 羅東 > 鶯歌
- 走行距離 147km
- 獲得標高 823m
- 走行時間 7時間18分
環島まとめ
- 所要日数:7日
- 総走行距離:1030.43km
- 総走行時間:53時間09分
- 総獲得標高:6,178m
- 宿泊地:彰化、台南、車城、台東、花蓮、羅東
- パンク回数:4回
- シフト調整回数:数十回
- 落車:なし
- 途中輪行:なし
- 総費用:約22,500元(約108,000円)
こうして無事7日間で台湾一周約1000キロをBROMPTON P LINEで走破することができました。
二日目のマスク噛み込みトラブルが最後まで尾を引いて4速が使用できないままゴールしましたが、本当にしんどかったです。4速が使えないことによるトップスピードの制限より数え切れないほどのシフト調整の労力、それに伴う時間ロスは相当なものでした。
たられば話をすると、「シフトが完璧だったら」「パンクが無かったら」、6日間で走破できたと思います。無意味なたらればですがw
ともかく、一番怖い交通事故や落車なく走れたのは本当に良かったですね。
安全には気を使って走っていたこともありますが、サイドミラーの恩恵も多大にあったし、運も良かったのかもしれません。
総費用については、スタートからゴールまでに掛かった費用で、自宅までのUberやマッサージ・一人打ち上げ費用も含めています。出発前に購入した装備や行動食は含んでいません。
それでも2万元は軽く超えました。(その内、6割超の約1.4万元が宿泊費)
現在のレートで換算すると10万円超えですが、ちょっと前なら8万円を切る費用で台湾一周できたと考えるとリーズナブルな気もしますね。
今回は台湾在住者の環島チャレンジなので、観光はほとんどせず決められた期間内に走り切ることを目的としており、訪台して環島チャレンジされる場合はもっと時間と費用に余裕をもって検討されることをおすすめします!
帰りのUberタクシーの車内でふと考えていました。
ものの十数分で数十キロの距離を走れてしまう自動車があるのに、なぜ私は自転車で一周しようと思ったのか・・・と。
走った私でも考えてしまうんだから、普通の人には自転車で環島なんて理解できないですよねw
さいごに
2024年4月3日に発生した台湾大地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
私も当時台湾におり、高層階にいたこともあって建物が倒壊するのではと思うほど大きな揺れを体験し、死をも覚悟するほどでした。
地震が収まり避難して安堵したのと同時に思い出したのが今回の環島でお世話になった花蓮やその周辺地域のことでした。
花蓮など東側地域はこれまでにも何度も大きな地震に見舞われており、古い建物の倒壊や崩落などによる交通機関寸断などの被害を受けています。
でもその度に時間を掛けて少しずつ復興しています。
日本も同じように能登半島地震から少しずつ復興に向けて歩きだしています。
今自分にできることは限られたことしかありませんが、少額でも寄付をしたりその地元で作られたものを購入することだったり、少しでも復興の力になればと考え行動しています。
橋の崩落や落石で一時は寸断された花蓮-蘇澳をつなぐ道路(蘇花公路 9号線)ですが、今は一部解除されており通行自体は可能となっています。ただ、工事や通勤などを考慮しての一部解除のため、環島目的などの自転車の通行は現時点では避けるべきかと思われます。
このように環島自体はまだ困難な状況ではありますが、観光そのものは地元にとって大きな支援になります。
安心して旅行には訪れてほしいと台湾観光当局も呼びかけており、私と同様に台湾を愛する方で訪台をためらっている方がいらっしゃれば、ぜひ台湾観光を前向きに検討していただければと切に願っています。
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